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2026/10/31

比例代表制選挙における投票数比例配分方式

投票数に比例した議席を割り当てるというのが比例代表制の趣旨だが、議席総数を投票数で比例配分した理想的な議席数は、必ずしも整数にならない。このことから、端数処理をいかに行うかということでいろいろな方法が提案されている。

実際に割り当てられる議席数と理想的な議席数との差の絶対値が1未満であるとき、クォータ条件を満たすと言う。

クォータ条件を必ず満たす方式として、投票数比例配分方式がある。

政党の数を N、投票数を v = (v_1, v_2, ..., v_N)、総議席数を S とする。投票総数を V = v_1 + v_2 + ... + v_N とし、政党 i の理想的な議席数を q_i = S ( v_i / V ) とし、理想的な議席配分を q = (q_1, q_2, ..., q_N ) とする。政党 i に割り当てられる議席数を s_i とし、議席配分を s = ( s_1, s_2, ..., s_N) とする。

投票数比例配分方式は、割り当てられる議席数と理想的な議席数との差の絶対値の和

 U(s) =  | s_1 - q_1 | + | s_2 - q_2 | + ... + | s_N - q_N | 

を最小にする議席配分を求める。 

そのアルゴリズムは、

 各政党 i の理想的な議席数 q_i の整数部分 P_i をその政党に割り当て、

 残った K 個の議席を理想的な議席数の小数部分 r_i の大きいものから割り当てる

という非常に簡単で効率的な方法である。

例えば、政党数 N=4、投票数 v=(59, 23, 14, 4)、総議席数 S=10 とするとき、総投票数は V=100、理想的な議席数は q=(5.9, 2.3, 1.4, 0.4) となる。

まず、理想的な議席数の整数部分 P_i を各党に割り当てる。

P=(5, 2, 1, 0)

残りの議席数は K=10-(5+2+1+0)=2

理想的な議席数の小数部分 r_i の大きいものから K=2 議席を割り当て

s_1 = 5 + 1 = 6, s_3 = 1 + 1 = 2, s_4 = 0 + 0 = 0, s_3 = 2 + 0 = 2, s = ( 6, 2, 2, 0 )

が得られる。

 i  q_i  P_i  r_i  s_i   | s_i - q_i |

 1  5.9   5   0.9  5+1=6    0.1

 3  1.4   1   0.4  1+1=2    0.6

 4  0.4   0   0.4  0+0=0    0.4

 2  2.3   2   0.3  2+0=2    0.3

実際に割り当てられる議席数と理想的な議席数との差の絶対値  | s_i - q_i | はどれも1未満であり、クォータ条件を満たす。

また、このアルゴリズムで得られる議席配分は、実際に割り当てられる議席数と理想的な議席数との差の絶対値の総和

  U(s) = | s_1 - q_1 | + | s_2 - q_2 | + | s_3 - q_3 | + | s_4 - q_4 | 

を最小化することが証明されている。

総議席数が S=9 のときは q=(6.55, 2.55, 1.55, 0.44)、K=9-(6+2+1+0)=0、より s=(6, 2, 1, 0)

S=11 のときは q=(5.36, 2.09, 1.27, 0.36)、K=11-(5+2+1+0)=3

 i  q_i  P_i  r_i  s_i

 1  5.36  5  0.36  5+1=6

 4  0.36  0  0.36  0+1=1

 3  1.27  1  0.27  1+1=2

 2  2.09  2  0.09  2+0=2

s=(6, 2, 2, 1)

現在話題になっているサンラグ方式は、クォータ条件を満たさない場合がある。
このことから、選挙において投票数比例配分方式が採用されることを期待する。

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